

アラン・ドロン演じる青年トムの闇。
久しぶりに「太陽がいっぱい」を観直してみて
あらすじが記憶とずいぶん違っているのは
原作に忠実なリメイク版「リプリー」と混同しているせいだろう。
ニノ・ロータのテーマ曲が流れると
クレモンティーヌの語りが聞こえてくるのは
井出さんのアルバム「パープル・ヌーン」のせい。
殺人のあと主人公が
魚市場をひとりで歩くシーンの104秒間を
自分の人生に重ねられない人は、
救いがたいほど不幸であるか
あるいは滑稽なほど幸福な人ではないだろうか。
これは昨日眠る前に読んだ
原尞のエッセイ集「ミステリオーソ」から。