名古屋を拠点とし、Francois K.主宰の『DEEP SPACE』でのオープニングアクトをつとめ、ラップトップ、ミキサー、エフェクターを使用したライブパフォーマンスに定評のある"macrophage lab. a.k.a. HIEI"が、<Grand Gellery>からデビューアルバム『AGARUTA』をリリースした。
音で癒されるような音楽つくりを目指しているという彼らしく、気持ちよく、自然と体にしみ込んでいくような音づくり、アルバム構成となっている。
今回は、アルバムに関するお話を中心に、音楽をつくりはじめたキッカケなど、いろいろとお話いただきました。
構成=Kaneko Hideshi
Q:今回のアルバム『AGARUTA』は、どのようなコンセプトで制作したのでしょうか?
『AGARUTA』というタイトルは、地球の内部にあると言われている理想郷『AGHARTA』からインスピレーションを得ています。UNDERGROUND(地下)なサウンドで、且つ理想的なサウンドをつなげてひとつの世界をつくりたいと思いました。
ちょっとした言葉遊びも兼ねているんです。
Q:金原さんや、LISA SHAWやTeNにヴォーカルを歌ってもらったりと、いろいろなアーティストをフィーチャーしていますが、アーティストの選び方はどのように行ったのでしょうか?
みなさん音のなかに柔らかさや優しさがあって、それと同時に力強さを共存していらっしゃる方々なんです。それに惹かれて声をかけさせて頂いたり、紹介して頂いたり──。
LISAさんとはデータでのやり取りだけで直接お会いはしていないのですが、実際にお会いした金原(千恵子)さん、TeNさん、カーティス(・ゲインズ)ともにとても楽しく製作させていただきました。
Q:このアルバムをつくる上で一番大変だったことを教えてください。
とにかく沢山のミュージシャンに参加していただいたので、そのやり取りが大変でしたね。スケジュールももちろんなのですが、いちど録音した音でも他の楽器を録音したあとでニュアンスが変わってしまって、また録りなおしたりとか──。
でも、みなさん本当に無理なお願いにも付き合っていただいて感謝しています。
あとは、ミックスが難しかったですね。いちど入り込むとどんどん深い所に行ってしまうので、<Grand Gallry>というレーベルカラーもあり、深過ぎず明る過ぎずの中道を見つけることが自分のなかでとても大変な作業でした。
Q:"macrophage lab."という名前の由来は?
"macrophage"は免疫細胞の名前で、"lab."はラボラトリーの意味。音楽制作のプロジェクト名として使っています。ダンスミュージックには明確なリズムと複数の旋律が共存しているんです。体=リズムと心=旋律の両方に共鳴することができますし、心と体は繋がっている。だから、音楽を通して心も体も癒されていけたらと思い、この名前にしました。
Q:音づくりやDJをやりはじめたキッカケを教えてください。
元をたどれば、小さいころに母が車のなかで細川たかしさんの「北酒場」をヘビーローテーションしていたことがキッカケかと思います(笑)。
DJに関していえば、じつはPCでのライブの方が先なんですよね。でも、当時はいまのように便利なソフトが無かったので、シーケンサーとデスクトップでライブをしていました。じっさいにDJをやりはじめた理由は、Francois K.(フランソア・ケボキアン)氏のDJを聴いたときに衝撃を受けたことがキッカケですね。
Q:音楽的に影響を受けた人、アーティストはいらっしゃいますか?
Brian EnoやSteve Reich、Erik Satie、坂本龍一、Francois K.。
音のむこうに別世界を感じる音をつくるアーティストが好きみたいです。
あとは、"宇宙人おーちゃん"や"morning set"など、名古屋でずっといっしょに音で遊んできた音楽仲間たちですね。
Q:現在の名古屋のクラブシーンは、どのような感じでしょうか?
みんな信念もってイベントをやったり、DJしたり、音を作ったりと、音楽に対して情熱を感じます。出演者たちの地元率が高いというのもあると思うのですが、自分の時間軸のなかで音楽をつくることができるし──。
これからは東京だけではなく、名古屋などの地方からもどんどんと個性的な音が生まれていって、面白くなっていくと思いますよ。僕自身も名古屋で『COLONY』というイベントを主催しているので、名古屋にお越しの際は、ぜひ遊びにいらしていただきたいです。
Q:読者にメッセージをお願いします。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
これからもスローペースではありますが、自分なりにこだわった作品をつくっていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします!
ラップトップ、ミキサー、エフェクターを使用したライブパフォーマンスで、即興的にその場の音楽を構築する。
NEWYORK HOUSEを代表するBODY & SOULのレジデントDJ、Francois K.主宰の『DEEP SPACE』でのオープニングアクトを2004年より名古屋にて担当するほか、AK、Dany Krivit、A Hundred Birds、Studio Apartment、半野善弘、Tanaka Fumiyaなどとも共演。
2007年にはSILVAとのユニット"Japone Brethren"名義でニューヨークの音楽レーベル<King Street>から『Wave』をリリース、コンピレーションアルバム「Tokyo Calling2」にも収録される。その他、"macropahge lab."名義ではフランス イエールでのファッションショウの音楽プロデュース、さらに金原千恵子のバイオリンアレンジを担当するなど、幅広く活動中。
2008年に"macrophage lab a.k.a HIEI"として、デビュー・アルバム『AGARUTA』を<Grand Gallery>からリリース。