
ヴォーカリスト、そしてアクセサリーデザイナー。
音楽とファッション、ふたつの才能を合わせ持つsaikoが、ニューアルバム『HAPPY』をGrand Galleryからリリース。
ハウスサウンドにのる彼女のヴォーカルが、自然と体に浸透し、とても心地よいいちまいとなっています。
今回は、アルバムの制作のお話を中心に、アクセサリーのデザイン、そして彼女のヒトとなりにについて、前編と後編の2回に渡っておおくりします。
構成=Kaneko Hideshi
─今回のアルバム『HAPPY』はどのようにつくられたのですか?
今回は、"時給自足"でつくりました(笑)。関わった人数が、ワタシとr.a.mさんのふたりしかいなくて──。あと監督として井出(靖)さんだけという、すごくタイトな人数でつくったんです。
全曲4ツ打ちの曲でつくってみました。
─それは井出さんやr.a.mさんとのやり取りでハウスサウンドになったのでしょうか?
井出さんは「お任せします!」みたいな感じだったので、けっこう好きなようにやらせていただきましたね。cargoも辞めたし、本当はすごく激しい曲調のアルバムをつくろうと思ったんですけれど、歌ってみたら声がぜんぜん合わなくて──。好きなものと出来るものって、やっぱり違うじゃないですか?だから今回は、好き嫌いは別にして、"自分が出来る曲は何か"を考えたというか、"自分の声がどういう風にすると生きるか"ということをすごく考えてつくりましたね。
わたし、じつはすごくリズム感が悪いんですよ(笑)。
─ええっ(笑)!? そんな感じは全然しませんでしたが。。。
─歌い方で気を付けていることとかありますか?
いかにカワいく歌うかという点ですかね。
わたし、ディーバ系の声ではないので、ディーバっぽいヒトにはなれないワケです。それに、ぜんぜんウィスパーでもキュートでもないんですけれど、でもイマジネーションで聴いてくれているといいなと思っていて、だからいかにキュートに歌うかということに気をつけていますね。
─ジャケットのデザインは、どのようにやり取りされたのですか?
「どんなのがいいですか?」って聴かれたので、「夜景がすごい好きなので、夜の遊園地がいいです!」って言ったんです。それで何枚か写真が来て、今回のモノを選びました。ハッピーな感じがいいなと。
─個人名義だったので、ご自身の写真とかでくるのかなと思っていたのですが。
自分が前に出るのが嫌いなんです。
正直なはなし、ライブも恥ずかしいし──。でも、作りたいという気持ちはすごくあって、アクセサリーとかもそうなんですけれど、とにかくモノをつくるのが好きなんですよ。曲も出すあてもないけれど、いっぱいつくりたくって。だから、GReeeeNはいいなって思いますね(笑)。
─本人たちは出て来ないですもんね。
あんなに売れているのに、顔も出なくって。だから、ジャケにアー写も本当は載せたくなかったんですけれどね。わたし、写真もすごく嫌いなんです。
─アルバムの制作で苦労した点はありますか?
じつは、すごくスムーズに出来たんですよ。
「作ります!」と言ってから、だいたい1ヶ月後には終わってしまったんですよね。「MELT YOU DOWN」がリード曲になっているんですけれど、その曲は一番最初のデモの段階からあったんです。それと4曲目の「UNDONE」という曲もデモの段階で作っていたので、新しくつくったのは5曲だけ。で、井出さんには最初から「アルバム自体を短めの作りにします」と言っていたので、7曲+リミックス1曲の
カタチにしたんです。
わたし、1時間とか、長尺のひとりのヒトのCDって、けっこうそのヒトの"声"に酔ってきちゃうんですよ。もう充分みたいな。だから、自分の"声"にも酔ってくるというか(笑)。コンピレーションならいいんですけれどね、歌い手が変わるので。自分の声を「1時間も聴きたくないよー」と思って、井出さんに40分くらいでって提案したんです。
ヒトの集中力って、20分というじゃないですか? だから、おなかいっぱいよりは、もう一曲欲しいなくらいがちょうどいいのかなと。
─今作で推しの曲はありますか?
やっぱり一曲目かな。一番最初に生まれてここまで生きた"子"なので。曲数がないのでどれも好きなんですけれどね。でも、最初にできた安産の"子"なので好きです。
(後編へつづく)