
サーフロックバンド"Magnolia(マグノリア)"や花田裕之( ex.Roosters)を中心とする"Band HANADA"、そして中西俊夫(ex.PLASTICS.MELON)とのユニット"Plastic Sex"などで活動するギタリストの大西ツルが、自身でもファースト ソロ アルバムとなる『TINY ILAND』をリリース。
引きつづき大西さんに、今作のお話を中心にいろいろとお話をお伺いしました。
構成=Kaneko Hideshi
─今回の音源は、完全におひとりでつくられたものなのですか?
2曲ほどドラムで荒川(康伸)くんに叩いてもらいましたが、ほとんどボクがやりましたね。
─では、自宅録音でやられたのですか?
そうです。
─でも、自宅録音でこれだけいい音を出すせるのはスゴいですね。
─そうですよね。以前、とあるレコード会社の社長インタビューで、「大半のヒトは、いい環境で聴ける状態なんてないから、録音にそれほどこだわっても仕方がない。大事なのは、どんな環境でも聴いて気になるメロディがあることだ。」という記事が載っていて、「たしかに!」と思ったことがありました。
たしかにそうですよね。ギターや機材をなにつかっているかなんて、大半のヒトは分からないですから。
─もちろんそういう時代もあったのは分かるのですが、そこへの"こだわりすぎ"も、いまの時代っぽくないのかななんて思いました。
時代によってありますよね。
このコンプを使うといまの音になるとか、あるんですけれど、それが何百万とかね。でも、そういう時代も終わっちゃっているんじゃないかな(笑)。
─最近の打ち込み音楽は、自宅録音カルチャーですよね。そういったいまの状況をどんな感じで見られていますか?
たしかに自宅録音はコンピューターがあれば、という感じなんでしょうけれど、MTRと一緒の感覚なんですよね。ボクは、バンドサウンドが基本にあるので、みんなでバンドスタイルでプレイするときは、いくら狭いブースでもみんなで一斉に音を出した方が、ぜったいいいサウンドはできるんですよ。
でも、ボクにとって自宅録音というのは、ある種ライフスタイルで、日記を書くような感じなんです。つくろうと思ってもできないもの。今日は天気もいいし、早起きしてギター弾いていたら、「このフレーズでも録っておこうかな」とか、そういうものなんですよね。だから、いまの打ち込み音楽のシーンの状況とか、あまり分からないんです。だって、機材のことも分からないし(笑)。
今回の作品も、自分が気もちよくて、日記みたいな感じでつくった曲の寄せ集めという感じではあるんです。
─最近の音楽シーンは、みんながいいからいいというか、そういう雰囲気が中心のような感じを、個人的に受けています。
オーディエンスが、メディアにおどらされちゃっているんですかね?
昔は、ソウルとかディスコとかヒップホップ、ロックとか混ざってかかっていて、でも「いいな」という音楽にはみんな食いついていたというところはありましたよね。
─90年代に流行っていた曲が、いまもそのまま盛り上がっていて、新しい曲が出て来ていない。そう感じていて、それをなんとか打ち崩したいななんて、思っているんですけれどね(笑)。
ああ、それは分かります!ボクもマグノリアのときにバーとかライブできる店とかいろんなところをまわっていて、いまもたまにやったりしていますけれど、いまのサーフロックシーンってけっこう確立していて、ボーカルの入った歌もので、すこしサワヤカ系のピースなメッセージが入って、ってそんな音楽ばかり。だからね、ボクは浮いちゃうんですよ(笑)。
その辺りを分かってくれるようなお店とか、イベントを考えてくれるヒトとやりたいなーって思うときがあるんです。もちろん、お客さんもそういう感じの方が盛り上がるのは分かるし、いまのクラブと一緒なんでしょうね。みんなでイエーイ!とかね。
─なにか求めるものが変わって来ているんでしょうね。昔は、いい音楽に対して貪欲に吸収しようみたいな部分が多かったような気がするのですが、最近は、みんなで盛り上がっているという共有感みたいなのだけを求めて集まっている感じが強い気がするんです。それはもちろん普通だし、重要ではあるんですが。。。
夏フェス的な感じね(笑)。
─でも、音楽を広めているような仕事をしている側からしてみたら、もうちょっとこんな音楽もあるのになーという思いはあるんですけれどね。
それは、ボクもやっていて最近思っていますね(笑)。
─さて、"plastic sex"のメンバーとしてもやられていましたが、中西(俊夫)さんとはどのような関係なのでしょう?
トシさんとは、初めて会ったのはナチュラル カラミティのライブですね。そのときは、トシさん、まだロンドンにいて、ナチュカラがロンドンでレコーディングして帰ってきて、日本でライブをやりたいとメンバーを探していたんです。
ボクは、その前に佐久間正英さんとバンドをやっていたのですが、解散してどうしようと思っているときに、森くんから話しがきて、やることになったんです。
そのときのボーカルが、中西さんだったんです。トシさんはロンドンから来たんですけれど、ロン毛で革のブーツを履いていて、バリバリ70'sのスウィンギング・ロンドンなベルボトムに、ベルベットのジャケットを着ていて。。。そのころはボクもそういうのが大好きだったんです。で、リハ--サルでストーンズの曲をやったりして盛り上がって(笑)。それからの付き合いですね。だからストーンズ仲間。
ボクがロンドンに行ったときも、"SKYLAB!"とかをまだやっていて、一緒にレコーディングさせてもらったりとかしていましたね。で、トシさんが日本に帰ってきて、「何か手伝ってよ!」って言われて、いまだにやっているんです(笑)。
─いま気になっている音楽はありますか?
新しい音楽をね、あまり聴いていないんです(笑)。この時期だとマーティン・デニーとか、ベルベットアンダーグランドを聴いたり。あとは、ストーンズの映画の『シャイン・ア・ライト』のDVDにハマってみているとか、、、悲しいですけれどね(笑)。
でも、タイミングでいい音楽って入ってくると思うんですよ。ボクはDJをやっていないので、レコードショップに行って、新しい音楽をガンガン探してっていうことは、むかしからあまりやってきていないんです。友達から、こんな感じなのあるけど好き?とか貸してもらったり、新しいのはそういう感じで聴いていますね。面白い音楽を探すアンテナは張っているつもりなので、遊びにいったときとかにチェックしたりもしていますけれどね。でも、けっきょく家で好きで聴いちゃうのは、ブルースや、60'〜70'ロックなんです。
ゲレロとかレイ・バービーとかも、好きで聴いていますけれどね。レイ・バービーもは、むかし茅ヶ崎のカフェで一緒にやったり、ゲレロもグリーンルームのイベントで一緒にやりましたけれどね。でも、あのへんのヒトたちの音楽のセンスっていいですよね。『シードリング』という映画があって、ロングボードのビデオなんですけれど、その音楽がスゴく良くってね。ジャズとか、ジャンル関係なく、ユルくて疾走感のある音楽がすごく良くって、やっぱいい音楽を知っているというか、そういう共通している部分があるんだなと思いましたけれどね。
─ジャンルが広いんですよね。
彼らはミュージシャンじゃないけれど、自分がリラックスできるセンスを持っているというか。ボクもストーンズとかね、ガリガリロックだけじゃなくて、ユルいジャズとかは好きですよ。だから、ジャンルは関係なく聴きたいなというのは思っているんですけれどね。
でも、新しい流行っているものを聴こうとは思わないんですよね(笑)。
─では、最後に読者の方にメッセージをお願いします。
これからも頑張ります!

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